高周波誘導加熱の用途
ロウ付
金属製品の銀ロウ、銅ロウ他全ての硬ロウ付の自動化に最適
半田付
電子部品、家電部品、計測器部品、自動車部品等の半田付作業に最適
焼入
自動車部品、精密機械部品等の焼入処理に、小物から大物まで適用
焼鈍
電線、ステンレスパイプ等の焼鈍やプレス加工品の絞り・曲げ加工の前処理
ビレットヒータ
鍛造・押出成形加工の合理化や品質向上
溶接・鍛接
電縫管・フィンチューブの連続溶接、フープ材・コアー材の溶接
溶解
鉄鋼溶解、貴金属溶解・遠心鋳造新素材の真空溶解
焼嵌
コンプレッサ等のロータやシャフト・ベアリング等の焼嵌加熱
溶着
製缶接着、食品キャップシール、ラミネートチューブシール、スピーカー接着・乾燥押出モール接着
ボンバータ
電子管、ネオン管、表示管、水銀灯、蛍光灯などのガス排気や、ゲッターフラッシュ
半導体製造
シリコン単結晶の引上げ、エピタキシャル成長
プラズマ加熱
プラズマトーチ、エッチング
ハクリ・脱パン
レンズ研磨皿のピッチハクリや金属製冷凍容器(パン)との冷凍品の分離
樹脂コーティング
小型モーター等の絶縁樹脂コーティングやパイプの酸化防止膜コーティング
プラスチック
かしめ、ボルトインサート、溶着
金型加工
押出ノズルと成形ダイスや成形金型等の加熱
熱サイクル試験他
金属材料の熱サイクル試験
教材としての加熱装置
当社デモ用加熱装置を使用して、加熱テストができます。
ワークサンプルを送って頂けましたら、当社技術員がテストを行ない結果を報告、又データ等を送付致します。
※詳しい内容についてはお問合せください。
高周波の出力推定
- ワークを昇温、させる為の正味電力量(kW/sec)
- Pa=4.186×M×C×ΔT(kW/sec)
- M:ワーク加熱部の質量(kg)
- C:ワークの比熱、(cal/g・℃)
- ΔT:目標とする温度差(℃)
- 高周波の必要出力(kW)
- HFPa=Pa/(ηc×ηL)×K(kW)
例:Φ20-300LのSS丸棒を常温~500℃に10secで昇温する場合の高周波出力
- ηc:結合度(0.4~0.9)
- ηL:伝熱効率(0.5~0.9)
- K:余祐度(1.1~1.5)
- (1)ワーク重量約0.75kg
- (2)昇温温度(ΔT)480℃(500℃-20℃)
- (3)比熱 0.12
1.正味電力量
- Pa=4.186×0.75×0.12×480=180kW/sec
- 10secで昇温する場合の高周波出力は、180kW÷10sec=18kW
- ∴18kWの正味電力量が必要となります。
2.高周波出力
- HFPa=Pa/(ηc×ηL)×K(kW)
- ηc=0.7
- ηL=0.8
- K=1.2
- HFPa=18/0.7×0.8×1.2=38kW
- ∴38kWの高周波出力が必要となります。
高周波装置の周波数
周波数の選定
周波数によりワークへの高周波電流浸透深さが異なる為に加熱部の形状寸法、材質、目的に応じて、最適周波数を選定しなければなりません。周波数選定は以下の点がポイントになります。
周波数帯 | ワーク形状、加熱目的等 |
---|---|
100Hz~5kHz程度 | ・大型、重量物、厚い形状 ・長時間の加熱 ・ワーク全体の均熱加熱 |
5kHz~50kHz程度 | ・小型~中型、軽~中量物 ・中~長時間の加熱 ・ワーク全体の均熱加熱 ・ワーク均熱の精度が必要 |
50kHz~400kHz程度 | ・小型、細い形状、薄い形状 ・非磁性体(Al、BS、SUS等) ・局所加熱 ・短時間加熱(1sec~10sec程度) |
400kHz~2MHz程度 | ・小片、細い形状、薄い形状 ・非磁性体(Al、BS、SUS等) ・局所加熱 ・短時間加熱(0.5sec~2sec程度) |